トレード手法以上に大切とされる資金管理。いくら高勝率な手法が見つかったとしても、正しい資金管理を怠ると一度の負けで退場!なんてことにもなりかねません・・・
また資金管理の方法について調べてみても、結局どうやってルールを作ればいいのかわからない方も多いと思います。
というわけで、この記事では資金管理の計算方法と正しいリスクコントロールについてエフキャン編集部の”つのだ”が詳しく解説していきます!

資金管理やトレードルールの指標になるバルサラの破産確率についても解説しているので、ぜひ参考にしてほしいのです!
この記事を読んでわかること
資金管理がトレード手法以上に大切とされる理由
証拠金の割合から許容損失額を決める資金管理方法
バルサラの破産確率を使ったトレードルールの作り方
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資金管理とは?
FXの資金管理とは?
資金管理と聞いて真っ先にイメージするのは家計簿かもしれません。いくら入っていくら使ってという収支管理をしている人も多いと思います。
ただトレードの資金管理は収支を確認するだけの家計簿とはまったく異なります。
家計簿の場合、いくら使っていくら残すかは100%自分でコントロールできますが、トレードの勝ち負けを自由にコントロールすることはできません。
勝ったり負けたりしながらお金を増やしていくトレードの場合、不確定要素を含めた上で、確実にお金が増える資金管理が必要になるんですね。

家計簿ではお金を使わなかったらマイナスにならないけど、FXは利益を狙うためにリスクをとらないといけない。
トレードでは確実にリスク以上のリターンが得られるよう資金繰りをすることが必要なのです。
資金管理はトレード手法より大事って本当?
FXの勉強していると、ついついトレード手法のことばかり意識してしまいますが、手法を手に入れるのと同じぐらい資金管理も大切です。
というのも、どんなに勝率の高い手法でも一回の負けで資金が飛ぶようなやり方ではいつか残高はなくなるから。
高勝率でも収支がマイナスになる例
わかりやすい例を上げると、例えば勝率80%の手法があったとします。10回のトレードだと8勝2敗と精度の高い手法ですね。
ただ1回のトレードの利益が10Pips、損失が50Pipsというように損益率が低い場合だとトータルの収支はマイナスになります。
この場合、8勝分の獲得利益は80Pips、2敗分の合計損失は100Pipsなので最終的に20Pipsマイナスになるからですね。
このように手法の勝率だけでなく、勝ちと負けのバランス、たとえ負けが続いても継続できるリスク管理がトレードには必須なんですね。
初心者が必ずやるべき資金管理方法
ここでは具体的な資金管理方法について、計算式やイラストを用いてわかりやすく解説していきたいと思います!

資金管理はテクニカル分析とは違い、一度身につけてしまえばすぐに使えるものなので初心者のうちから身につけておきたいのです!
損失リスクは証拠金に対する割合(%)で決める
まず資金管理において最も大切なのは「損失リスクを証拠金に対する割合(%)で決める」ということです。
損失リスクを割合を考えることで、証拠金が少なくなるにつれて損失の金額も小さくなるため、常に証拠金に対して同じ大きさのリスクを取りながらトレードすることができます。
例として、割合を3%にした場合の損失許容額を下の計算例で確認してみましょう。
証拠金100万円| 3万円
証拠金10万円| 3000円
証拠金1万円| 300円
一方、損失リスクを決める方法には一定の金額や取引量(ロット数)で決める方法がありますが、金額や取引量を一定にした場合、資金が減るにつれ(金額や取引量は変わらないため)リスクの割合が大きくなり、負けが続くと最終的に資金がゼロになってしまいます。

損失リスクは闇雲に「1万円」などと金額で決めるのではなく、「◯%」と割合で考えることが大切。
自分の元手に合わせて損失額を算出するので、正しいリスクコントロールができるってこと!
また当然ですが、損失割合を小さくするほどリスクは小さくなります。
3%の場合|10万円×3% = 3000円
5%の場合|10万円×5% = 5000円
次に損失リスク◯%のルールでトレードするための具体的な手順を解説していきます。
許容損失額から注文時の取引量を決めよう!
損失リスク◯%でトレードするためには損切り幅と取引量を決める必要があります。具体的な手順は次の通りです。
- 1証拠金と損失リスクの割合から許容損失額を計算する
- 2損切り幅を決める
- 3損切り幅と取引量(ロット数)をかけた金額が許容損失額の範囲内に収まるよう取引量を調整する
証拠金10万円、損失リスク3%以内に抑える資金管理ルールの場合で考えてみます。
10万円×3%=3000円
次にトレードの損切り幅に対して損失額が3000円以内に収まるよう取引量を調整します。
ここでは損切り幅、利確幅をともに30Pipsに設定し、損失許容額が3000円以内になるように次の計算式を用いて取引量を計算します。
30Pips(0.3円)×1万通貨=3000円
今回は取引量を1万通貨にすると、30Pipsの損切りにあった際の損失額が3000円になります。これで損失リスク3%以内でトレードできることが確認できました!

このように損切り幅と取引量をかけることで損失金額を算出することができます。
あとはその金額が事前に決めた損失割合の範囲に納まっているかを確認するだけ!
損切り幅に合わせて取引量(ロット数)を変える
先ほど損切り幅から取引量を調整すると説明しましたが、トレードスタイルによって損切り幅は異なります。
というわけで、ここでは損切り幅の異なる2つのトレードスタイルを比較しながら、取引量を計算していきたいと思います。
比較するトレードスタイルはスキャルピングとスイングトレード。また証拠金は10万円、資金に対する損失許容の割合は3%(損失許容額は3000円)で計算していきますね。
①スキャルピングの損切り幅=10Pips
②スイングトレードの損切り幅=100Pips
①スキャルピングの場合
まずは損切り幅を10Pipsにしたスキャルピングでの取引量を計算してみましょう。
価格が10Pips下がったときの許容損失額を3000円におさえるために、取引量を調整していきます。
取引量=損失許容額÷損切り幅=3000円÷10Pips(0.1円)=3万通貨
今回の場合、3万通貨でトレードすればリスクを3%以内に抑えられることがわかりますね。
このように小さな値幅を狙うスキャルピングの場合、損切り幅も狭くなるため、比較的大きな取引量でトレードできるのが特長です。
②スイングトレードの場合
次にスイングトレードを例に取引量を計算してみます。
取引量=損失許容額÷損切り幅=3000円÷100Pips(1円)=3000通貨
このように3000通貨のポジションを保有できることがわかりました。
スイングトレードのような比較的大きな時間足でトレードする場合、利確幅が大きくなる分、損切り幅も大きくなる傾向があります。
損切り幅はあくまで一例ですが、トレードスタイルにより損切り幅が変わること、損切り幅が大きくなるほど取引量は小さくなることをしっかり押さえておきましょう!

損切り幅はトレードスタイルによって変わるし、トレードごとに変わります。
まだトレードスタイルが決まっていない方は次の記事を参考にしてください!
損失リスクは3%以内
ここまで読んでいく中で「損失リスクって何%にすればいいの?」と感じる方もいると思います。
許容損失額の割合はトレーダーによってさまざまですが、エフキャン編集部では損失リスクは3%以内に抑えることを推奨しています。
これについては、5%の場合と1%の場合の証拠金残高のグラフを比較して説明していきますね!
1回のリスクを1万円と決めた場合
まず1回のリスクを1万円と決めた場合と3%ルールで10回負け続けた場合の証拠金残高の推移をみていきましょう。
下の証拠金残高グラフを見てわかるように、損失額を「1万円」と固定していると、10回目のトレードで資金が0になってしまいます。
その点損失許容額を証拠金に対するパーセンテージで決めた場合、証拠金が少なくなるにつれて損失額も小さくなるため、たとえ連敗が続いたとしても証拠金がゼロになることはありません。
スタート時の証拠金10万円の場合の損失額は3000円ですが、元手が1万での損失額は300円になるといった感じです。このようにトレードすることで資金をゼロにすることなく半永久的にトレードを継続することができますね。

元手がなくなって退場しない限り、トレードは継続できる。
「3%ルール」でトレードしていれば、トレードの成績がプラスに転じたときに証拠金の残高グラフも上方向に転換する!
5%と1%を比較
損失リスクを何%にするのかについては5%、3%、1%での証拠金残高の推移を見ていきます。
5%ルールの推移を見てみると許容リスクが大きい分、1回のトレードの損失が増え証拠金が減少するペースも早くなっています。
一方で1%ルールはリスクは小さいものの、同時に利益も小さくなるので元手が増えるペースが遅くなるのが難点です。そのためエフキャン編集部では5%と1%の間をとった3%ルールをおすすめしています。

これで基本的な資金管理が理解できたのです!
次は資金管理やトレードルールの指標になるバルサラの破産確率について解説していきたいと思います。
バルサラの破産確率とは?
バルサラの破産確率とは、損益率、勝率、資金率をもとに、「そのトレードを続けると将来どれくらいの確率で破産するのか」を数値化したもの。
ちなみに「資金率」とは証拠金に対する損失の割合(%)のことで、先ほどの資金管理で説明した◯%ルールと同じです。
ここではバルサラの破産確率表の見方と資金管理の目安について解説していきます。
破産確率で未来の結果がわかる
初心者の頃はどうしても1回のトレードの勝ち負けにこだわってしまいがちですが、バルサラの破産確率で計算すれば今のやり方でお金が増えるのか減るのかはわかります。
例えば勝率50%でも損益率が1:1なら100%負けるといった感じです。
「えっ?勝率50%で損益率1:1なら破産確率は50%じゃないの!?」と思いませんか?これについては計算例と合わせて解説していきますね!
勝率50%、リスクリワード1:1が100%負ける理由
ここでは証拠金10万円、許容損失額を3%を例に解説していきます。まず1回トレードを行い、負けたら元手は9万7000円になります。
次のトレードで勝つと元手は9万9910円になりますが10万円には戻りません。これは一度勝ってから負けても同じ結果になります。
50%でも元手が減る
1敗→1勝
1敗|9万7000円
1勝|9万9910円1勝→1敗
1勝|10万3000円
1敗|9万9910円
そのため勝ち負けの順番に関係なく勝率50%、リスクリワード1:1でトレードを繰り返すと資金は確実に減っていきます・・・
これらを踏まえるとバルサラの破産確率の表の通り、勝率50%、損益率1:1の破産確率は100%となります。

勝率50%、リスクリワードが1:1なら一見大丈夫そうに思えるけど、実はこのパフォーマンスだと完全に負けるのです!
合格ラインは破産確率1%未満
バルサラの破産確率の合格ラインは1%未満でトレードするようにしましょう!
ちなみに、1%とは100人が同じ資金管理ルールでトレードした場合、破産する人が1人いるということです。10%の場合は10人に1人が破産することになります。
10%ぐらいでもいいんじゃないの?と思うかもしれませんが、万が一破産した場合FXから退場しなければなりません。なので破産確率は1%未満になるようにトレードルールを決めましょうね!
バルサラの破産確率表の見方
また破産確率は資金率(許容損失額)によっても数値が異なるので、ここでは資金管理ルールの3%を基準に確認していきます。
例えば勝率70%、損益率1.5のトレードの場合の破産確率は0%なので合格ラインです!

バルサラの破産確率を見れば、自分の
手法が生涯に渡って勝ち続けられるものかどうかがわかるってこと!
自分のトレードを集計しよう
バルサラの破産確率を活用するには、過去のトレード結果から自分のトレードのパフォーマンスを知る必要があります。
ここでは過去のトレードからパフォーマンスを算出する方法を解説していきたいと思います。
大事なことは損益率×勝率
バルサラの破産確率に必要な情報はトレードの損益率、勝率、資金率の3つです。資金率についてはすでに解説しているので3%で話を進めていきます。
勝率と損益率の計算式
勝率
勝ち回数÷負け回数
損益率
勝ち金額÷勝ち回数、負け金額÷負け回数から平均損益率をだす
まずは過去のトレード結果(勝ち金額÷勝ち回数、負け金額÷負け回数)から平均損益率を出し、その上で勝率と証拠金に対するリスク割合(%)がわかれば破産確率は算出できます!

トレードのパフォーマンスを知る上で大事なのは損益率×勝率!勝率だけにこだわらないよう気をつけよう!
ひとつの手法をまずは10回試してみる
まだ手法が明確になってない、もしくは過去のデータを取ってない方は、まずは自分の手法で10回トレードすることをおすすめします。
下の表は1週間のトレード記録をまとめたものです。ここでは複数の通貨ペアでトレードしていますが、初心者の方は1つの通貨に絞ってトレードするのも良いと思います。
トレード成績
- 資金率|3%
- 勝率|70%
- 損益率|1.59
このように10回のトレードの損益率、勝率、資金率をバルサラの破産確率に当てはめて破産確率が1%未満ならOK!
このまま継続して最終的には30回そのまま続けてみましょう!そうすることでより正確なデータとなります。
もし10回のトレードの損益率、勝率、資金率をバルサラの破産確率に当てはめて確率は1%以上なら見直してみてくださいね。

ここで1%を超える数字になるということは、そのまま続けるともしかするといずれ破産するかもしれないということなのです、、
勝つトレーダーは必ず資金管理をしている
資金管理が理解できれば中級者!
初心者ほど過剰なリスクを取ってトレードしていることが多く、勝ちトレーダーほどリスクを抑えてトレードしていることが多いです。
そして、FXの世界ではどんなに勝率が高く一発で儲かる方法だとしても、長期でお金を増やしていくことが目的である以上、資金管理ができなければ勝ち残れません。
なのでこの記事で解説した「損失リスクを証拠金に対する割合(%)で決める」という資金管理方法でリスク管理を徹底しましょう。

そのためにも、まずは資金率を決めて自分のトレードの勝率と損益率を算出し破産確率表をチェックすることから始めてみてください。
また、損失リスクは「1%、3%、5%」とトレーダーによって異なりますが、資金率が上がると破産確率が上がり、資金率を下げると破産確率が下がることも忘れないでくださいね。これが理解できたあなたは中級者です!
諦めなければいつか勝てるのがFX
もう一度資金管理のおさらいになりますが、リスク管理は必ず証拠金に対する割合(%)で考えましょう。そうすることで限りなく証拠金が残りますし、お金さえ残っていれば勝てるまでトレードは続けられます!
トレードが続けられればいつか勝てるようになるのがFX。無理せず損失を最小限に抑える、つまり資金を守ることが何より大事ということなんですね!

曲線が上向きになればあとは継続するだけ!破産せずに続けられればいつか勝てるようになるのがFXなのだ!
取引通信簿が使えるFX会社を通貨単位別に紹介!
最後に自分のトレード結果をさまざまなデータで視覚化してくれる「トレード分析ツール」を提供しているFX会社を紹介します!
勝率や損益率なども自動で集計してくれる便利なツールなので、自分のトレードを見直すためにぜひ役立ててくださいね。
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資金管理のまとめ

トレードは大きく負けないことが何より大切!まずは損失を最小限に抑えるために3%ルールを守ってトレードしよう!
この記事のまとめ
